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財産分与で夫(妻)の財産がどれだけあるか教えてくれない場合はどうしたらいいのですか?

離婚時に財産分与を請求すると、財産を相手方に渡したくないために「財産隠し」をする人が少なくありません。相手方に財産を隠されてしまったとき、きちんと調べてそれを明らかにしないと、本来もらえたはずの財産分与の取得分が少なくなって損をしてしまいます。

以下、財産分与の場面で相手方が財産を開示しなかったり隠したりするときの調査方法について、弁護士が解説します。

1.財産の調査方法

調査すべき「財産」の種類や範囲

適切な財産分与を実現するには、対象となる財産を正確に把握しておく必要があります。
一般的に、財産分与の対象となるのは以下のような財産です。
・現金
・預貯金
・各種保険
・不動産
・車
・社内積立
・社債、国債、株式などの有価証券
・貴金属などの動産類
・退職金

上記のものは、婚姻期間中(ただし別居まで)に夫婦の収入から形成された財産といえるのであれば(親からの贈与や相続によって得た財産など、夫婦の稼働とは無関係に取得されたものでなければ)、「名義」にかかわらず財産分与の対象になります。たとえば「相手方名義の車」「相手方名義や夫婦共有名義の不動産」「相手方名義の国債、株式、保険」などもすべて財産分与の対象です。相手方が隠すなら調べて明らかにしていきましょう。

まず、専門家に依頼せずに「自分でもできる財産の調べ方」をご紹介します。専門家に依頼する場合にも、その前にやっておいていただきたい非常に重要な調査です。

現金

現金は家の中に保管されている可能性があります。金庫だけでなく、たんすや棚、机の中、床下収納、絵画や写真立ての裏などにへそくりを貯めている人もいるので探してみてください。
財産が存在することはそれを主張する側がある程度証明する必要がありますが、存在を目視して確認しただけでは証拠に残らず、後々否認されたら打つ手がなくなってしまいます。現金の場合は証拠化が難しいですが、画像や動画に残しておくという方法が考えられます(金額もわかるように撮影する必要があります)。

預貯金

まずは通帳や証書を探しましょう。家の中に保管されている可能性が高いので、たんすや引き出し、棚、机の中などを確かめてみてください。金融機関から取引や残高に関する書類が届くケースもあるので、相手方宛ての郵便物もチェックしましょう。
相手方がネットバンキングを利用しているならばパソコンから取引履歴をチェックすればわかりますが、勝手にIDやパスワードを入力すると「不正アクセス禁止法違反」になる可能性があるので注意が必要です。
預金の場合は残高まで把握できなくても大丈夫ですので、無理はしないでください。金融機関名と支店名さえわかれば後々調査できるケースが多いのです。

通帳を見つけたら、可能な範囲で表紙と裏表紙、記帳されている全ページと「定期預金」の1ページ目のコピーをとりましょう(画像でもかまいません)。後で存在を否認されたときのために、必ず証拠化してください。
また通帳の内容を確かめられるならば、お金の動きを追いかけましょう。不自然に高額な出金があった場合、どこかへお金を移されている可能性がありますが、振込送金されていれば送金先がわかるかもしれません。

クレジットカードの明細書から調べる

クレジットカードを利用していて自宅に利用明細書が届いているならば、その内容を確認してみましょう。明細書には「引き落とし口座」が書かれているので、把握していなかった口座を発見できる可能性があります。
また、お金の使い方から財産を調べるヒントを得られる可能性もあるので、明細書を見つけたらコピーまたは画像を取っておきましょう。

保険、個人年金

保険の中でも「解約返戻金があるもの」のみが財産分与の対象になります(掛け捨ては対象外)。「生命保険」「終身保険」「養老保険」「火災保険」「学資保険」などに解約返戻金が設定されているケースがよくあります。「個人年金」の積み立てをしている場合にも財産分与の対象となります。
まずは自宅内で「保険証券」や「個人年金証書」を探してみてください。保険会社から毎年1回程度、保険内容を知らせる書類が届くはずなので、そういった郵便物を確認する方法もあります。保険料は預金口座から引き落とされるので、通帳の内容を確認すると知らなかった保険契約を発見できる可能性があります。

証書や報告書、預金通帳等の証拠物を見つけたら、必ずコピーまたは画像をとって証拠化しましょう。

不動産

不動産はわかりやすい財産であり、通常は相手方から隠される可能性は低いと考えられます。不動産を所有していれば固定資産税の納付書が年1回届きます(共有の場合は代表者にしか届かないので注意が必要ですが)。不動産を把握している場合は、「不動産の全部事項証明書」(登記簿謄本、法務局で取得)を入手しましょう。

また、不動産が存在する場合は、後にその評価額が問題となる可能性が高いので、不動産会社に査定を依頼して査定額を出してもらいましょう。会社によって査定額は変わりますので、おおよその相場を知るためには複数の会社に依頼することをおすすめします。

家族で使っている車を隠される危険は少ないと考えられます。ただ、評価額や車の特定が問題になる可能性があるので、できれば車検証のコピーまたは画像をとっておきましょう。車の種類や年式などの情報がわかれば、だいたいの評価額も判明するので、財産分与の話し合いを進めやすくなるでしょう。

相手方が自宅から離れた場所に車を保管して隠している場合でも、クレジットカード利用明細や通帳の記載から「自動車保険料」の支払いがあることがわかったり、あるいは自動車保険会社からメールや書類が届いたりしてその存在が判明する可能性もあります。それらを見つけた場合は必ずコピーか画像をとっておくようにしましょう。

社内積立

社内積立については通常給与明細に控除の記載があるのでわかります。財産分与を請求するときには、できるだけ相手方の給与明細、賞与明細、源泉徴収票などの収入資料のコピーまたは画像を入手しておきましょう。

社債、国債、株式などの有価証券

有価証券類や投資信託については、証券会社の取引明細書を見れば明らかになります。
定期的に証券会社から報告書が送られてくるケースが多いので、郵便物のチェックが重要です。
ただし、ネット証券の場合には通常郵便物が送られてきません。その場合でも「株式配当金」「株主総会招集通知」「株主優待の案内」などが届き、株取引を行っていることが判明する可能性があります。
何か見つけたら必ずコピーまたは画像をとっておいてください。

貴金属などの動産類

貴金属などの動産類は、相手方が隠そうと思えば簡単に隠せますし、評価も難しい財産です。
家の中をしっかり探してどのような物があるか確認し、現物は必ず画像などに残し、鑑定書などがあればそれも必ずコピーまたは画像にとっておきましょう。

退職金

以下のようなケースでは、将来支給される退職金も財産分与の対象になりえます。
・勤務先に退職金規程がある
・退職金が支給される蓋然性が高い(定年時期がそう遠くない、公務員や上場企業のサラリーマンであるなど)

相手方の勤務先がわかってる限り退職金を隠すのは困難で、具体的な金額についても裁判手続における調査などで明らかにすることができます。

ただし、相手方が退職して退職金を受領してしまい、そのお金を使ってしまったり隠してしまったりすると、回収が困難になるおそれがあります。そのような場合には裁判所の保全手続を利用して退職金を動かせなくする方法も検討する余地があります。

2.弁護士会照会制度を利用する方法

財産調査を自分1人で進めるには限界があります。銀行や保険会社、証券会社名がわかっても具体的な取引内容がわからない、勤務先はわかっても実際の退職金額は不明などの事情でそれ以上調査を進めにくいケースもあるでしょう。今は「個人情報保護法」も施行されて個人情報の秘匿性が高まっているため、夫婦であっても本人でないと情報の開示は受けにくくなっています。

そのようなときには「弁護士会照会制度」を利用することも考えられます。
弁護士会照会制度とは、弁護士が「弁護士法23条の2」に基づいて各種の機関や会社などに照会事項に対する回答を求める手続きです。照会を受けた機関等には回答義務がありますが、守秘義務等を理由として回答に応じてもらえないケースもあります。

弁護士会照会制度は弁護士しか利用できないので、利用を考えている場合は弁護士に相談してみてください。
ただ、この調査方法は少し費用が割高です(1件につき1万円弱)。

3.調査嘱託制度を利用する方法

弁護士会照会制度においても回答は義務付けられますが、拒絶しても明確なペナルティはありません。個人情報保護を優先して回答を拒絶するところも少なくないので、せっかく費用をかけて照会しても何も判明しないことがあり得ます。

そのようなときには、裁判所の「調査嘱託制度」の利用を検討しましょう。
調査嘱託制度とは、裁判所が必要性を求めた場合、裁判所から各種機関に照会をかけ、照会事項への回答や資料提出を求める制度です。個人情報保護に敏感な機関でも裁判所からの照会には対応する場合が多いので、財産隠し対策には非常に有効です。
調査嘱託を利用できるのは、調停や訴訟などの裁判手続が係属した段階になってからです。これによって預貯金や保険、株式などの詳細情報を得られる可能性があります。

ただし、裁判所に調査嘱託をしてもらうためには、対象機関を特定して裁判所にその必要性を認めてもらわなければなりません。やみくもに申し立てても却下される可能性が高いので、専門知識をもった弁護士に相談しましょう。

4.離婚後の財産分与の請求

財産分与の請求は離婚後にすることも可能です。離婚時に財産分与の取り決めをしていなければ、離婚後2年間に限って財産分与の請求が認められるのです。離婚から2年が経過してしまいそうな場合は、急いで家庭裁判所に「財産分与調停」を申し立てましょう。調停の申立てが2年以内になされていれば、調停中に2年が経過しても権利は失われずに済みます。
ただ、財産分与も離婚条件のひとつとして交渉材料になり得るものであり、他の条件との兼ね合いもみて決めた方が良い結果を得られやすいでしょうから、できれば離婚時に話し合っておくのがベターです(もっとも、これは立場によります)。できれば当初の段階から弁護士に相談し、相手方に警戒されないように注意しながら慎重に財産調査を進めて行くのがよいでしょう。

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