離婚調停の「不成立」とは?その後の対処方法も含めて弁護士が解説

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調停はあくまでも話し合いの手続ですので、離婚とその条件について双方が了解しない限り、調停は成立しません。
このまま調停を続けていても合意に達することはなさそうだという状況になると、裁判所によって調停は「不成立」とされる可能性があります。

今回は、離婚調停が不成立になるのはどういったケースなのか、不成立になったらどうしたらよいのかなどについてご説明しますので、離婚調停中の方はぜひ参考にしてみてください。

1.離婚調停が不成立になることの意味

離婚調停が始まると、調停委員会が両当事者の意見を調整し、必要に応じて解決案を提示するなどして合意形成(調停成立)を目指します。しかし、当事者の言い分の乖離が大きすぎる場合など、調整のしようがない場合もあるでしょう。
そういったケースでは「これ以上話し合いを続けても合意形成の見込みがない」と判断され、裁判所によって調停が打ち切られます。離婚調停が不成立になるというのはそういうことです。
「不成立」ではなく「取下げ」によって離婚調停が終了することもありますが、「取下げ」は申立人だけの意向でいつでも行うことができます。

1-1.離婚調停が不成立になる割合

2018年の司法統計によると、離婚調停の総数60542件のうち10360件が不成立で終了しています。
割合にすると17.1%程度となります。

1-2.調停不成立と離婚訴訟の関係

実は、離婚調停の不成立と離婚訴訟には密接な関係があります。それは「調停前置主義」というルールのことで、原則として離婚調停を経ても解決しなかった場合にのみ離婚訴訟を提起できるというルールです。

離婚訴訟を利用するためには、その前に必ず離婚調停で話し合わなければならず、話し合っても無駄だとわかっていても、調停を飛ばしていきなり離婚訴訟に進むことはできないということです。

そして、調停で話し合ってみたけれどそれでは解決できませんでした、という結果が「不成立」であり、不成立になった場合には裁判所から「事件終了証明書」をもらうことができます。
離婚訴訟を起こすときには、訴状などとともにこの「事件終了証明書」を裁判所に提出し、調停前置主義のルールを満たした訴訟提起であることを証明します。

2.離婚調停が不成立になりやすいケース


離婚調停が不成立になりやすいのは、どういったケースでしょうか?

2-1.一方が離婚を強く拒否している

一方が頑なに離婚を拒んでいて、離婚条件の話にも進まない場合です。
申立人側は離婚の意思が固いが、相手方側は一貫して明確に拒否しているという場合は、期日を重ねても意味がありませんので、早々に不成立になると思われます。

2-2.一方が裁判実務からかけ離れた主張に固執している

離婚自体は双方オーケーだが、養育費や財産分与などの経済条件について争いがあるという状況で、一方が裁判実務からかけ離れた主張に固執していたり、収入資料や財産資料の開示を拒んでいるような場合が考えられます。

調停委員又は裁判官が説得しても主張を変えず、資料の開示に応じないような場合、調停での解決の見込みは薄いと考えざるを得ません。
そのようなときには、裁判所は調停を不成立にして打ち切りとする可能性が高いと考えらえます。

2-3.親権争い

未成年の子どもがいる夫婦の場合、離婚するときに子どもの親権者を決めなければなりません。
どちらも強く親権を主張して譲らないケースの場合、話し合いを続けても合意に至ることは期待できません。
このようなケースでも、離婚調停は早々に不成立にされるでしょう。

2-4.相手方が出頭しない

離婚調停が係属すると、家庭裁判所から当事者に呼出状が送られますが、出頭しない人もいます。
1回出頭しなかっただけで不成立にはされないでしょうが、書記官が電話をかけたり再度呼出状を送っても連絡すらつかなかったり、出頭の意思がないことを表明した場合には、裁判所は調停を不成立にせざるを得ません。

3.離婚調停不成立と取下げの違い

調停が成立しない状況で離婚調停を終了させる手続としては、「不成立」だけではなく「取下げ」もあります。
この2つは似ていますが、意味内容や効果が大きく異なるので違いを押さえておきましょう。

3-1.取下げとは

離婚調停の取下げとは「申立人が調停を取りやめにする」手続きです。
取下げに特別な理由は必要ありません。「気が変わった」「不利になりそう」「やっぱりやり直したい」など、どのような理由でも、いつでも取下げができます。

3-2.取下げと不成立の違い

不成立を決めるのは申立人ではありません。裁判所が不成立にするかどうかを決めることになります。また、不成立にできるのは「調停が成立する見込みがないとき」だけであり、話し合いによる解決の見込みがあるならば調停は継続されるはずです。
この点は、申立人の意思によっていつでもどのような理由でも実行可能な「取下げ」と大きく異なる点といえるでしょう。

また、不成立の場合は、「いったん調停が実施されたけれども意見が合わずに打ち切りになりました」という記録が残ります。先に述べた事件終了証明書のことです。
取下げの場合はこのような資料はもらえません。

3-3.離婚訴訟を提起するのであれば「不成立」にした方がいい

裁判離婚が認められる可能性も十分にあるのに離婚調停が成立しなかった場合、通常は離婚訴訟に進むことになるでしょう。
ただし、離婚訴訟を起こすには、事前に調停を経ていなければならず(調停前置主義)、そのことは通常は事件終了証明書によって証明します。
ところが、前述のとおり、事件終了証明書は不成立の場合にしかもらえません。
取下げの場合でも、実質的に調停である程度の話し合いが行われたと認めてもらえれば、調停前置主義を満たしていると判断され、離婚訴訟を受け付けてもらえる余地がありますが、そのことの説明と立証の負担をわざわざ増やすのは賢明ではありません。
事件終了証明書があればそのような説明も立証も一切不要になるのですから、ぜひ不成立で終わらせたいところです。
調停で合意が難しくなってくると、調停委員から申立人に「取下げ」の打診がなされるケースもあるようですが、安易に応じないようにしましょう。
離婚訴訟を提起する可能性があるならば「取下げ」ではなく「不成立」にしてもらわなければなりません。
迷ったときには弁護士に相談し、間違った対応をしないよう注意しましょう。

4.離婚調停が不成立になったあとに離婚を進める方法

離婚調停が不成立になった後に離婚を進めるには、どのように対応すればよいのでしょうか?

4-1.別居する

調停中に同居していた場合、まずは別居することをお勧めします。
別居すれば、お互いが離婚を意識せざるを得ない状況となるからです。別居期間が長くなれば裁判離婚も認められやすくなるため、離婚の意思が固いのであれば、できるだけ早めに別居をした方がいいでしょう。

また、相手方の方が高収入であったり、ご自身が子どもと同居しているというような場合、相手方に対して婚姻費用を請求できる可能性が高いといえます。そのような場合には、別居と同時に婚姻費用も請求しましょう。大多数のケースでは、婚姻費用の方が養育費より高額になります。つまり、相手方は、離婚が成立するまではより高額な婚姻費用を支払い続けなければならず、離婚が成立すればより低額な養育費の支払いで済むことになりますので、一般的には、相手方は早期離婚に応じやすくなるといえます。

4-2.再度離婚協議をする

離婚調停が不成立になった後、再度離婚協議をしてみるのも一つの方法です。
協議によって合意できれば、わざわざ離婚訴訟を起こす必要はありません。
協議離婚の可能性が見込めるならば、しばらく別居を継続し、折を見て話し合いを持ちかけてみましょう。

4-3.離婚訴訟を起こす

話し合いによって解決できる可能性が低いならば、離婚訴訟を提起しましょう。

ただ、ご自身に有利な判決を出してもらうためには証拠が必要です。たとえば、相手が不貞していたと主張するならば不貞の証拠が必要になりますし、相手方から暴力を受けていたならば暴力の証拠を集めなければなりません。子どもの親権を獲得したいならば、自分が親権者として適格であることや、相手方が親権者として不適格であることを示す資料が必要となるでしょう。

また、訴訟は調停よりも専門的な知識や経験が必要とされる手続になります。
調停ではひとりで頑張っていたという方でも、訴訟対応まではなかなかむずかしいのではないかと思います。
ぜひ弁護士に相談してみてください。

4-4.再度調停を申し立てる

離婚調停が不成立になった後、再び調停を申し立てることも可能です。
不成立になってすぐに申し立ててもあまり意味がないでしょうが、何らかの状況の変化があった場合や、それなりに期間が経過して相手方の心境が変わっている可能性がある場合などには、再度離婚調停を申し立ててみるのもよいかもしれません。

一度、離婚問題に積極的に取り組んでいる弁護士に相談するとよいでしょう。

当事務所では離婚調停や離婚訴訟のサポートに積極的に取り組んでいます。お悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

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