2017.11.20
不倫の慰謝料請求をされたら
相手に配偶者がいることを知りながら、又は、そのことを容易に知り得たにもかかわらず、その相手と性的関係をもってしまうと、原則として、相手の配偶者に対して慰謝料を支払う義務を負うことになります。
反論が考えられるケース
既婚者と性的関係をもったこと自体は争わない場合でも、不貞の慰謝料請求に対する反論の類型はいくつかあります。ここではそのうちの3つを紹介します。
①無過失
相手に配偶者がいることを知らなかったという場合は、過失の有無が問題となります。過失が認められない場合は慰謝料を支払う必要がなくなりますが、仮に知らなかったとしても容易に知り得ただろうと評価される場合は、慰謝料の支払義務を免れません。相手が独身だと言っていたというだけでは足りず、既婚者ではないかと疑ってしかるべき具体的な事情がなかったかどうかが問題となります。
②婚姻関係の破たん
不貞当時、不貞相手の婚姻関係がすでに破たんしていた場合は、慰謝料の支払義務を負いません。この反論は裁判でもよく主張されるのですが、裁判所に破たんを認めさせるのはかなり大変だと思っておいた方がいいでしょう。例えば、不貞が始まる前から別居していて、夫婦らしい交流もなかったという場合でない限り、裁判所はなかなか破たんを認めてくれません。
③不貞相手の配偶者の不法行為
不貞相手の配偶者に殴られたという場合や、職場に不貞の事実を吹聴されたという場合などには、不貞相手の配偶者の方にも不法行為責任を問えることがあります。実際、不貞の被害者側が憤慨のあまりやりすぎてしまうということがたまにあります。
不貞行為の慰謝料を全額免れることは難しいかもしれませんが(被害者側の行為の態様、それによって生じた損害の程度次第です)、上記のような事情がある場合には、結果的に慰謝料をかなり減額させることにつながることもあるのです。
慰謝料相場
あくまでも現在の私の経験上の相場感覚ですが、裁判になった場合に判決で認められる慰謝料の相場は、あなたとの不貞が原因で相手が離婚ないし別居していた場合は100万円〜250万円程度、離婚も別居もしていない場合は50万円~100万円程度であり、具体的な事情によっては増減があり得ます。ご自身のケースではどのくらいが妥当なのか知りたい方は、弁護士に相談してみることをおすすめします。ただし、慰謝料の額は一昔前より低額化してきているといわれていますので、最近の事案にくわしい弁護士に相談した方がよいでしょう。
解決事例Examples of solutions
親権問題
夫の育児非協力や間接暴力等が原因で不貞行為に及んだ妻が、夫から離婚と子どもたちの親権を求められるとともに、慰謝料300万円と離婚後の養育費の支払を求められたが、妻から夫への支払は一切なしで、妻が子どもたちの親権者となり、夫から月7万円の養育費を得るなどの条件で離婚した事例
財産分与問題
妻に拒否的な態度をとられ続け、ついに離婚を決意して自宅を出た夫が、残債(住宅ローン)が残らないような財産分与の条件をとりつけて離婚した事例
慰謝料金額交渉
結婚から2か月後に実家に帰ってしまった妻から、180万円の未払婚姻費用(月15万円×12か月)と慰謝料等約60万円の支払及び謝罪を求められた夫が、30万円の解決金のみを支払う条件で離婚した事例
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